自己紹介でもご説明した通り、2014年に、英語で全く仕事をしたことがない状態でシンガポールに赴任した自分の経験から、英語ではじめて仕事をする初心者が、アジアでどの程度の英語力が必要かを解説します。
この記事の内容
アジアで仕事をするための英語力とは?
アジアで働く日本人の英語レベルは?
何から勉強をスタートすべきか?
アジアで仕事をするための英語力とは?
はじめに、なぜアジアなのか? という話でいうと、難しい話はさておき、やはり人口が伸びている地域であることは間違いありません。
アジアという範囲では中国、インドも含みますので、現時点で世界の約60%の人口はアジアということになります。
人口が多いということはそれだけ日本企業も進出して投資をしていくわけですから、単純に日本人の活躍の場が広がるということになります。
出典:総務省「世界の統計2018」
アジアといっても広いので、そこには様々な言語や宗教があり、大変複雑です。
中国で言えば中国語が使われているので、必ず英語が必要ということはないと思いますが、アセアンやインドなどの地域では、やはり多人種が一緒に仕事をするとなると多くの方は英語を話します。もちろん中国人でも英語を話す人は沢山います。
アジアの英語の特徴は、ほとんどの人にとって。英語は第二言語であるということです。それぞれの国には母国語あり、英語は第二言語であることが多いため、
- 母国語の発音やクセが英語に反映されている
- お互いあまりに難しい単語や言い回しを使っても通じない
ということが特徴だと思います。
では、アジアの方々の英語力ってどんなレベルなのでしょうか?
英語を非母国語とする国を対象に、100ヵ国の英語力を調査しているEF英語能力指数(EF EPI)によると、
日本は、アジア24ヵ国中9番、全体では100ヵ国中55番とのことで、中国と韓国より下のようです。もちろんこの調査の信憑性という課題はありますが、大体こんなレベルではあります。ちなみに私が赴任しているシンガポールは、アジアで1番、全体では10番のようです。
これはあくまでも私が仕事の中で感じることですが、英語はアジアの人にとっては仕事のツールです。日常の仕事の中で多少文法が間違っていても、伝わればいいという雰囲気を感じます。
生活で英語を使っているシンガポール人でさえ、メールでむちゃくちゃな英語を書いてくることがあります。とにかく仕事の内容が伝わればいいので、どんどん積極的に発信していき、英語というツールの使い方に慣れることが重要です。
その観点では、英語はテレビやビデオのリモコンのようなものです。例えば。チャンネル変更、録画、予約、再生、ダビングなど、いくら説明書を見て理解していたとしても、実際に操作できないと意味がないと同じように、文法や単語を沢山知っていたとしても、使えないと意味がない、ということになります。
日本人は単純に英語を使い慣れていないということなのだろうと日々痛感しています。
アジアで働く日本人の英語レベルは?
シンガポールで赴任して6年になりますが、いろいろな日本人を見てきました。その経験から、自分なりにシンガポールで働く日本人の英語レベルを表にしてみました。
レベル5の日本人は。私は普段の仕事の中では見かけたことはありません。イベントの司会の日本人は、シンガポールのインターナショナルスクールを卒業している人も多く、このレベルですね。
レベル4の人はたまに見かけます。この人英語うまいな~、と感じる人ですね。話をしてみると、妻がシンガポール人です。という人が結構いますね。
赴任してそのまま結婚してしまってシンガポールに住み続けている人とか、イギリスやアメリカ、また、オーストラリアの大学を卒業した人などもそうですね。やはり大学時代という時間がたっぷりあるうちに英語を使っていた方は体に染みついているように感じます。
レベル3は日本人赴任者に最も多いレベルです。正直私もレベル3であると考えています。仕事は何とか英語で回していますが、家に帰ると日本語を話しますし、なかなか英語の勉強ばかりに時間を取れないので、どうしても日常会話が上達しません。単語力が決定的に足りないのです。私の知り合いでも、とても仕事の英語が上手な方がいますが、意外に5本の指を英語で言えなかったりします。仕事では使わないですからね(笑)
レベル2の人も非常に多いです。レベル3とほとんど同じくらいいると思います。赴任したばかりの人とか、赴任してもあまり馴染んでいないシャイな人ですね。どうしても慣れていないと物怖じして口数が少なくなってしまうので、上達が遅れることになります。どこかで恥を忘れて言葉を発するしかないのです。
レベル1も稀にいます。英語はできないけど業務知識が豊富で赴任してきた人などです。特に海外進出したばかりの日系企業は、製品知識などの業務を現地スタッフに教育する必要があるので、こういった方もたまに赴任してこられています。
日本ではレベル2の人が圧倒的に多く、これから海外に関連した仕事をしたい、又はしなくてはいけない人が多いと思いますが、こういった方々がどうやってレベル3になるかについていくつかの記事を今後書いていきたいと考えています。
何から勉強をスタートするか?
では、レベル1の方やレベル2の方は何から勉強すればいいのでしょうか?
結論から言うと、私のおすすめは“ビジネス英語に特化した勉強”です。
まずビジネスマンにとって重要なことは何よりも仕事を回すことです。もちろん日常会話もスラスラできたことに越したことはありませんが、打ち合わせやプレゼン、交渉や電話などのビジネスの基礎英語にフォーカスすることで、会社への責任を果たせるようになります。
よくネットや書籍でも、海外ドラマや映画による勉強法なども書かれていますが、あくまでも趣味としてそういった勉強法もいいのですが、やはりメインはビジネス英語をきっちり習得することだと思います。
自分自身も英語に慣れるために海外ドラマを観たりしますが、あくまでも日本語のドラマを観る時間があったら、英語のドラマを観ようというレベルでして、例えばディクテーションなどをするかといえばしません。
また、アジアで使われる英語とアメリカドラマや英語の英語では、スピードや発音も違うので、あまりにもドラマや英語に固執すると、自信を無くしてしまって先に進む元気がなくなることもあります。ドラマや映画が聞き取れなくてもアジアで仕事はできます。
では、ビジネス英語の勉強法ってどうやるの? ということで言えば、英語で仕事をしたことがなかった自分が、何とか仕事を回せるようになった方法は以下の通りです。
- 自分に合った教科書を徹底的に読破してスクリプトを暗記する
- オンライン英会話(ビジネス英会話)をどんどん活用して内容をアウトプットする
- 会社内で、英語で発表する機会があれば、どんどん手をあげてチャレンジする
1)については。今更暗記? という声も聞こえてきそうですが、暗記の効果は結局絶大です。
聞き流しただけで英語ができるようなことをいう学習法もありますが、基本的に前述の通り、英語はテレビやビデオのリモコン操作と同じなので、操作に慣れないと基本的に使えるようにならないです。
説明書を読んだだけで使えることは、よっぽどの天才でない限り基本的にないと思います。暗記をすることで、その過程で何度も自分の口に出して読むので、その効果は非常に大きいと思います。
2)は 1)と同じく、英語を口に出すための場を自分で作っていく必要ありますので、インプットよりもアウトプットの場として、比較的に低コストのオンライン英会話をどんどん活用することをお勧めします。
3)も同じくアウトプットです。特に社内の会議や打ち合わせで発表をする機会があれば、是非積極的に手をあげたいところです。
なぜなら社内でいくら恥を書いても致命的な問題になりにくいからです。また、発表するとなると、自分で真剣に練習する気合も入るでしょうから、絶好の機会だと思います。
まとめ
全く英語で仕事をした経験がない状態から、急にシンガポールに赴任した私の観点から、アジアで仕事をするための英語力について解説しましたが、やはり最も重要なことはアプトプットだと痛感しています。もちろん単語や言い回りなどのインプットも重要ですが、使えないと意味がないので、アウトプットと一緒にセットで考えないと、インプットしたものをすぐに忘れてしまいます。恥を忘れてどんどん話すことで、相手との会話も進み、何がダメで何が正しいかも段々と分かってきます。どんどんチャレンジしていきましょう!
この記事のまとめ
多くのアジアの人にとって英語は第二言語、難しい単語や文法ではなくシンプルな表現を心掛けましょう
英語で仕事をはじめてする人は、ある程度の文法と単語は知っているが使いこなせないことが多いので、アプトプットの練習を積極的にしましょう
仕事を回すために、まずはビジネス英語に集中して勉強しましょう