アジアで必要な語学術

【考察】アジアビジネスにおける中国語の必要性について

【考察】アジアビジネスにおける中国語の必要性について

 

タツオ
アジアで働くにあたり、英語以外に中国語って必要なのかな~。
そうだね。中国ではもちろん必要になると思うけど、その他アジアってもう少し状況がつかみにくいよね。そのあたり自分の経験やデータを踏まえて解説してみるね。
トニー

 

この記事の内容

私の仕事における中国語の必要性について

私の中国語バックグラウンド

世界における中国語の影響力は?

 

私の仕事の中における中国語の必要性について

 

私はシンガポールに来て、仕事柄、ありがたいことにいろんな国の方とお仕事をさせていただいています。現地で長期に滞在するような深い仕事ではありませんが、新型コロナ前は出張によく行ってました。

今はオンライン会議で、日々いろんな国の方々とコミュニケーションを取っています。元々そういった幅広い仕事をする想定ではなかったのですが、本当に良い経験をさせていただいているなと思います。お客様に感謝です。

これまで、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピン、ミャンマー、中国、香港、マカオ、台湾の皆様と仕事をさせていただきました。

 

この中で、中国語の普通話、いわゆるマンダリンが使われているのは、中国台湾です。

 

私が働くIT業界は比較的英語を使う人も多いですが、やはり工事をする方などは現地の言葉しか話さない人が多いので、この2ヵ国については、中国語ができないとなかなかコミュニケーションが難しいと思います。

 

香港マカオについて言えば、ここのところ仕事の関係で毎週打ち合わせしていますが、完全に広東語です。私は基本の会話レベルでは普通語を話せますが、広東語はもう完全に違う言葉なので、全く聞き取れません。

 

実は香港の人は普通語についてはある程度話せると思いますが、もう国中ほとんど広東語なので、そこで敢えて普通語を使うのはちょっと気が引けます。何かアウェイ感がスゴイのです。なので、香港の方と会話する際には、こちらは英語を使ってます。

 

マカオについても広東語ですね。それか英語かなという雰囲気です。普通語を話すかパートナー企業に聞いてみたら、ちょっとだけという回答でしたので、やはり英語でコミュニケーションをとるようにしています。

 

では、私が住んでいるシンガポールについてはどうでしょうか? 

 

この国は本当に言語という面では多様性を持った国です。国の成り立ちから国語はマレー語ですが(行事の国歌斉唱などで使われる)、公用語としては英語、中国語(普通語)、マレー語、タミル語が設定されています。電車でもこの4ヵ国語で案内が流れます。

基本的に国民は、英語と母国語(自分の人種の言葉)を学びますので、2ヵ国語以上話せます。

 

ビジネスシーンでの公的な書類は全て英語ですが、国民の75%程度が中華系の方々ですので、オフィスでは英語と中国語が入り乱れた状況となっています。

スタッフ同士は割と中国語が話されていて、会議の途中でも英語から中国語に急に切り替わる会話もあります。日系企業なら、日本人上司に聞かれたくないことなどを中国語で話しているのでしょうwww

 

中国語は基本的に普通話(正確にはこの地域では華語ということだが、ほとんど同じ)が話されていますが、元々中国の福建省や広東省から来た人が中心にできた国ですから、福建語や広東語を話せる人も多いです。

 

ですので、シンガポールでは、本当のビジネスシーンでは英語ですが、中国語(普通語)を話せると、中華系の方々とは十分にコミュニケーションが取れますし、むしろ距離が近づけるかもしれません。また、街で買物をしたりする際も便利です。

 

マレーシアも中華系住民の割合が約25%と多く、かなり中国語(普通語)が話されますので、中国語ができたらかなり便利だと思います。

 

その他の国でもチャイナタウンがあり、もちろん中国語が話せると便利なケースもあるでしょうが、仕事では基本的に現地語か英語というイメージを持っています。

 

私の中国語バックグラウンド

私の中国語バックグラウンド

 

自己紹介でも書きましたが、私は父の希望もあり、子供の頃に中国語を学習した経験があります。中華系の学校に小中と9年間通ってました。学んだのは普通語です。

 

非常に特殊な学校で、中国語教育と日本の教育課程を並行し学ぶ独自のカリキュラムでした。もちろん日本語の教科書を読む際には日本語なのですが、それに対する解説や質問などは中国語で行われていました。

 

普段の友達同士の会話も中国語で行うことが基本ですが、どうしても生徒は日本語を話してしまうので、時々強化期間があり、その間に日本語を話したら友達からカードを渡され、カードが溜まったら罰則があるというゲーム感覚な試みもありました。(昔のお笑いビッグ3の英語禁止ゴルフのような感覚です)

 

中華系の学校なのですが、中国と全く関係ない日本人の生徒もいました。親が中国語を学ばせたいからです。

 

高校進学は一定の制限はありましたが、普通中学校卒業と同じように問題なく進学できますので、有名私立高校に入学する友人もいました。

 

今考えたら、かなり無茶だろうと思う教育システムですが、子供の能力というのはスゴイもので、中国語で授業を進行して、日本の教科書で学び、日本語の授業もあり、そのうち英語の勉強も普通にやるわけですから頭が混乱しそうですが、慣れれば問題ありませんでした。

 

考えてみればシンガポールの子供は、学校で英語と母国語(自分の人種の言語)を学び、同時に2ヵ国語を話せるようになるわけですから、本当にやり方次第だと思います。

 

そんなこんなで中学を卒業した頃には、難しい単語はさておき、通常の日常中国語会話はできるようになっていました。

 

ただその後、高校、大学、社会人と、ほとんど中国語を使う機会はなく人生を過ごすことになりました(笑) 友達の中には得意の中国語を生かし、商社やメーカーの海外事業部などに就職した人もいますが、自分はなぜかあまり興味がなく、普通に中国語を使うことなく生きていたのですが、人生のめぐりあわせで、急に中年になってシンガポールに転勤することになったのです...

 

シンガポールに転勤が決まる前は、2泊3日で旅行に来たことがある程度で、実際に生活やビジネスシーンで、どのような言語が使われているかなんて全く知りませんでした。

英語で仕事もしたこともなく、かなり苦労しましたが、生活やカジュアルなビジネスシーンではかなり中国語が話されているので、シンガポールに来た当初は、英語ができない分、何とか中国語で凌いで仕事をしていました。

 

子供の頃の記憶はスゴイもので、何十年ぶりに使う言葉でも何とか英語よりはスムーズに話すことができました。子供の頃の言語教育が如何に重要か思い知らされました。

 

その後、台湾と仕事をするようになってからも、やはり中国語はかなり役に立ってます。

私の中国語は中学で止まっていますので、ビジネス単語は別途勉強しないといけないのですが、発音やリズムは子供の頃学習した分、体に染みついています。

 

世界における中国語の影響力は?

 

さて、ここまで私の仕事やバックグラウンドの観点から、中国語についてご説明してきましたが、実際には世界でどの程度中国語が使われているのでしょうか?

いろいろと数字の集計は難しいのですが、Wikipediaから概要を見てみたいと思います。主に英語と中国語を比較してご覧ください。

 

世界で中国語を話す総人口

世界における中国語の影響力は?

出典:Wikipedia

 

第一言語として中国語を話す人は、もちろん中国の人口が多いため1位なのですが、第二言語として使っている人口を含めると、英語人口が少し多いようです。

 

世界で中国語を公用語として使っている国数

世界における中国語の影響力は?

出典:Wikipedia

 

一方、中国語を第一言語や第二言語で話す国数で言うと、実際には中国、台湾、シンガポールの3ヵ国だけです。もちろん華僑の皆さんは世界中にいますので、それぞれのコミュニティで中国語は話されていると思いますが、公用語として話されているのは3ヵ国だけです。

 

では、英語はというと、何と59ヵ国にも及びます。特にアフリカで話されている国数が多いことが分かります。

 

こうして見てみると、やはり網羅性という意味では圧倒的に英語が中国語に勝っているように思えます。特にインターネットが世界に広がってからは、英語の影響力はさらに高まっているようです。

 

次に、WORLD ECONOMY FORUM が 2016年に発表した ”These are the most powerful languages in the world" を見てみましょう。

 

ここでは、5つの指標から、最も影響力がある言語をランキングしています。

世界における中国語の影響力は?

 

ここでも英語が1位で中国語2位となっていますが、その差は特にGeography: The ability to travel となっています。つまり世界におけるカバレッジです。

世界における中国語の影響力は?

 

こう見ると、何かはじめての語学を学習するなら圧倒的に英語に軍配が上がります。

 

しかしながら、中国の人口の伸び、世界経済に与える影響(生産拠点としても、販売先としても)、世界中にいる華僑の方々とのコミュニケーション、シンガポールや台湾のアジアにおける影響力などを踏まえると、中国語は勉強して損のない言語であることは間違いありません。

 

投資家のジム・ロジャースさんが 2007年からシンガポールに移住されていますが、娘さんに中国語を学ばせるためと言われています。もちろんシンガポールは英語でも生活ができ、さらに安全なので、お金持ちの移住に適した国なのでしょう。

 

最後に、"These are the most powerful languages in the world"  では、2050年のランキングも予測もしており、依然順位は1位英語、2位中国語で変わりませんが、その差は詰まると見られているようです。”COMMUNICATION” という指標で中国語が英語を逆転しています。これはやはり、今後の人口の伸びの影響を表していると推測されます。

世界における中国語の影響力は?

 

いかがでしたでしょうか? こうして見てみると、言語の世界でも英語対中国語という構図が見えてきて、将来の変遷が気になりますね。

 

この記事のまとめ

中国や台湾と仕事をする可能性があるなら中国語は必須

語学1つだけ勉強するなら圧倒的に英語が便利

しかし、この先中国語の重要性はかなり伸びると考えられる

 

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