以前は、外国人がシンガポールで働く手段の一つだった「Dependant's Pass (DP) + Letter of Consent (LOC)」
その選択肢が2021年5月1日に廃止となり、代わりに、日本人は対象外だった就労ビザ「WP (Work Permit)」が申請可能となりました。
「WP」は「EP (Employment Pass)」や「S Pass」よりも申請条件が厳しくない為、比較的取得しやすいと言われていますが、油断は禁物です。
今回、実際の体験談も踏まえつつ、これから新規申請する方に向けて、最新の注意点をお伝えいたします。
※就労ビザ関連の記事は、以下もご覧ください。
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この記事の内容
就労ビザ「WP (Work Permit)」について
就労ビザ「WP (Work Permit)」新規申請時の注意点について
もくじ
就労ビザ「WP (Work Permit)」について
まず、大前提として、通常の「WP」には国籍制限があり、日本人は対象外となります。
MOMのサイト(Sector-specific rules for Work Permit)で対象業種を選び、「sector requirements」を選択後、「Source countries or regions」を確認いただくと、各業種の対象国籍を確認することが可能です。
(*) MOM:Ministry of Manpower(シンガポール労働省/人材省)
しかし、「DP」ホルダーがシンガポール国内で働く場合に限り、「DP」とセット利用の前提で、国籍を問わず、「WP」を申請することが可能となります。
MOMのサイト(Working in Singapore)で「DP holders who get a Work Permit」を確認いただくと、「Can be of all nationalities/citizenships (i.e. source requirements are waived)」と記載されていることが確認できます。
就労ビザ「WP (Work Permit)」新規申請時の注意点について
国籍の条件が免除され、「DP」を保有していたら、誰でも簡単に「WP」を取得できるかと言うと、そうではありません。
雇用主となる勤め先にWP申請を進めてもらうにあたり、以下のような点に注意してもらう必要があります。
注意点① その企業における「WP」採用枠は足りているか
「WP」の採用枠は、その企業のローカル雇用人数によって異なります。
あなたの申請分が足りているか、事前確認が必須です。
注意点② 申請者の給与が高すぎないか
「WP」申請する際、最低月額給与の条件はありません。
ただ、「WP」はもともと単純労働を前提とした就労ビザとなりますので、あなたの給与次第では、逆に「高すぎ」ということで却下されることがあります。
「WP」取得後、給与が上がることは基本的に問題ないとのことですので、状況次第では申請は少し低めにしてもらう方が安全かも知れません。
注意点③ 申請者の年齢が50歳未満かどうか
「WP」には「Non-Malaysian workers must be below 50 years old.」という年齢制限があります。
日本人で50歳以上の方は申請できない為、ご注意ください。
注意点④ 勤め先に親族等の関係者が所属していないかどうか
あまり想定されないケースかと思いますが、ご家族が先に入社されている企業に紹介等で入社される場合、就労ビザの発行元が同じ企業となります。
その場合、申請が却下される可能性があるとのことです。
ちなみに「WP」はオンライン申請後、何かが引っかかって却下になると、通常、1~2日で自動返信メールが届きます。その際、却下理由は公開されません。
すぐに再申請は可能ですので、却下された場合は上記の注意点を再度見直し、給与上限等で微調整する場合、その形で再申請は可能となります。
まとめ
「Dependant's Pass (DP) + Letter of Consent (LOC)」で働く制度が廃止され、途方に暮れた方も多い中、「Dependant's Pass (DP) + WP (Work Permit)」が設けられ、今に至ります。
「WP」ならいつでも取得してもらえると思っていると、思わぬ落とし穴があるかも知れませんので、勤め先には細心の注意を払って申請してもらえるよう、自分からも積極的に声をかけてゆきましょう!
この記事のまとめ
「Dependant's Pass (DP) + Letter of Consent (LOC)」制度の後継が「Dependant's Pass (DP) + WP (Work Permit)」制度
「WP」は申請条件が「EP」や「S Pass」よりは厳しくないが、申請が通る為の注意点(「採用枠」「給与上限」「年齢制限」など)はある為、細心の注意を払って申請してもらう必要がある