この記事の内容
社会人の英語勉強法について
私の考える効果的な勉強法と教材
私が実践してきた勉強の流れ
もくじ
社会人の英語勉強法について
これは語学だけでなく、スポーツやその他のことでも同じだと思いますが、何かを習得する方法って人それぞれ違うと思います。例えば以下のような要素によって変わってきます。
- それぞれの能力や好き嫌い
- かけられる時間(独身や子供がいるかどうかでも大きく違うなど)
- 目指すレベル
ここでは一旦、英語で仕事をしたことのない社会人が、英語で仕事をするための基本的なコミュニーションレベルに達するまでの学習方法についてシェアしたいと思います。正直、私もそんなに高いレベルには達していないですが、6年ほど仕事をしているので、基本の仕事レベルの英語についてはアドバイスできると思います。
【検証】海外と初めて仕事をする人が知るべき、アジアで必要な英語力は?でも書きましたが、英語はテレビのリモコンを扱えるようになるのと同じで、使えば使うほど定着しますし、使わなければいくら説明書を読んでも自分で設定できるようになりません。テレビのリモコンなら説明書を見ながら対応ができますが、実際のビジネスの場面で翻訳ツールや辞書を見ながら会話することは難しいので、やはり自分で使いこなせるようにならないといけません。
例えば日本語でも森友事件以来使われるようになった「忖度(そんたく)」という言葉は、皆さん昔から知っていたでしょうか? 私は正直知りませんでしたが、最近では時々使います。
ニュースでもビジネスシーンでも当たり前のように使われていますよね? 言葉ってそういうことだと思います。使えば使うほど自分のものになっていくものだと思います。
私の考える効果的な勉強法と教材
正直、自分自身、本や教材を買うことが結構好きで、買って満足してしまう人間でした。
本を買っただけですごく勉強した気になっていたと言っても過言ではありません。
ただ、本を買っただけでは、仕事の現場で使える英語力にならないので、いくつかのポイントに絞って勉強をすることにしてから、あくまでも過去の自分との比較ですが、飛躍的に英語力が伸びたように思います。
【考察】アジアビジネスにおける中国語の必要性についてでもご紹介しましたが、中国語を子供の頃に勉強したことがあり、その時学校でやってきた勉強を思い出して、一部取り入れたりしています。特に、質の良い文章の暗記は効果が非常に高いと感じています。
ここでは、<文法><単語><話す><聞く>のポイントに沿って内容をシェアしたいと思います。また、ターゲットはあくまでもビジネス英語としています。日常会話まで含めると、勉強が際限なくなるので、ビジネス英語にフォーカスすることが効果的です。
<文法>
アジアで仕事すると、本当に文法がなかなかいい加減だと思います(笑)。多くの人にとって英語が第二言語だからかもしれません。ですので、あまり文法を突きつけすぎても時間がかかるだけなので、私はさらっと本を流し読みして、自分にとって興味があるところを集中的に読み込みました。あとになっても復習できるので、2,3日でさらっと読めばいいと私は思っています。
実際に仕事や同僚との会話で英語を使いだすと、完了形や仮定法が思いのほか必要になってくることに気付きます。
「彼はずっとあの作業をしていた」「私は○○すべきだった」とか、飲み会に誘われて「行ければ良かったんだけど」などなど。
ですので、本を長々読むよりも、オンライン英会話など、実際の会話でうまく表現できなかった文法を復習するほうが、自分の中で印象に残り習得が速いと思います。
おすすめ本
解説
この本は英文法としてはあまりに有名かもしれませんが、著者の大西先生は、堅苦しい文法だけではなく、実際にコミュニケーションを取るための英語の“感覚”を教えてくれます。ですので文法本でありながら、読み物としてすでに面白いので、やはり人気なんでしょうね。
例えば「MUST」という助動詞の解説には「圧力」を感じてください、と書いています。そういう理解をすることで、「~しなければならない」と「~にちがいない」という意味がスーッと入ってくるような解説になっています。
<単語>
実は社会人にとって、単語の勉強が単調で非常に難しいと思います。学生の頃はある程度強制力が働いていたのでまだ勉強できたのですが、社会人になるとこの勉強法は大体続かないです。
ですので私自身、”○○○英単語1000”とか”○○○英単語3000”とか、そういった単語帳も何冊か買ってみましたが、正直、効果がありませんでした。飽きてくるし、最後まで読んだ頃には最初を忘れていたり、単語の使い方のイメージが湧いてこないと感じました。
結果的に、単語はもっと文章の中で、熟語、使い方含めて覚えることにしました。
その方が以下のようなメリットがあると思います。
- 覚えるべき重要な単語かどうか判別しやすい(何度か出てくると重要性を感じる)
- 使われ方がイメージしやすい
- 熟語やその他言い回しをセットで勉強できる
ですので、単語習得には、質の良い面白い文章を多く読むことが重要だと考えています。
ちなみにニュースも毎日読もうと考えた時もありますが、ニュース記事は紙面の都合上、かなり難解な単語が並んでいて、仕事の現場では使いにくいと判断して今はやっていません。ただ興味がある方にとっては毎日更新されますし良いかもしれません。
また、ビジネスとは少しずれますが、海外の方や同僚と仕事をすることになると、日本について話しをする機会がかなり多いですし、皆さん興味もあります。ですので、日本を紹介する本も読むことも大変おすすめです。その過程でいろいろな単語も習得できます。
おすすめ本
解説
単語本ではないのですが、この本は読み物として非常に面白いです。様々な議論すべきトピックスが 42個紹介されていて、それぞれに賛否と折衷案の3つの意見が英語で書かれています。
覚えるべき単語もしっかり列挙されていますし、文章の言い回し(意見を述べたり、問題に言及する、などの機能表現)についての解説を細かく書いてくれているので、単語、熟語、言い回しが一気に学べます。
おすすめ本
解説
先述の通り、海外に来ると日本のことを話す機会が非常に多いです。皆さん興味もありますし、会話に困ったときに最もいい話題です。
日本を紹介する本はいろいろとあるのですが、私はこの本が結構面白くて好きです。2014年と少し古いですが、”外国人の疑問”というコーナーがあり、外国人が持っている日本への疑問に英語で回答している内容は参考になります。単語力の向上にもなりますし大変おすすめな本です。
<話す>
自分自身、海外と仕事をする初心者にとって、話す訓練が最も重要だと思っています。先ほどのリモコンの例では言えばまさに操作をするというところです。ここはもちろん英会話スクールもいいのですが、やはり質の良い文章の暗記を断然おすすめします。私が子供の頃中国語を学習したときも、学校の先生が毎度毎度教科書の一部を暗記するようにテストを出してくれました。
典型的なビジネスフレーズが詰まったスキットを毎週一つ暗記することで、その一週間の間、トイレやお風呂で復唱することになり、何度も口に出すことで、英語力が上がります。
暗記そのものよりも、この日々の復唱こそが、リモコンを何度も操作することと同じ効果があると考えており、説明書を見ずに使いこなせるようになる近道だと思います。
実際には暗記してもすぐに忘れますが、覚えているうちにどんどんフレーズを実際の会話の中でアウトプットすると自分のものになります。
おすすめ本
解説
自分の中ではこの本は神本です。各場面別(電話、ミーティングやプレゼンテーションなど)の英語のフレーズと、それらフレーズを使った、"ビジネス場面実況中継"という名前のスキット、そしてそのスキットの解説で構成されています。
フレーズ集は大量なので、これを読んでいては飽きてしまいますし時間がかかるのですが、ビジネス場面実況中継というスキットは、そのフレーズの中で重要なものを使って一つのスキットを作ってくれているので、これを暗記してしまうことは非常に効果的です。
またこの本は、どの言い方が丁寧とかちょっとカジュアルとか、そういったことまできちんと書かれていて大変参考になります。スキットの解説も分かりやすく、ビジネス英語として一冊だけ選べと言われれば、私はこの本を選びます。
<聞く>
アジアで働いていると、リスニングについての難しさは半端なく感じます。それはシンガポールをはじめとする東南アジアや、東アジア、インドなどで、英語の発音が国によって全く違うからです。もちろん欧米やオーストラリアの方もいますので、一体このリスニングはどうすればいいのか? と悩むことがありますが、それはもう慣れるしかありません。
だからと言ってリスニングの勉強をしないともっとダメになるので、まずは標準的な発音を聞いていくことをおすすめします。寝る前や電車の移動などに、自分が面白いと思える教材を聞くことでレベルは上がってきます。
リスニング教材を考える際に私が重視しているのは、
- ビジネスにおけるコミュニケーションのシーンがしっかり収録されているもの
- 単語の解説があること(単語の勉強を兼ねているので)
- できれば効果音があること(リアリティが増し集中力が上がります)
おすすめ本
解説
この本は、英語でコミュニケーションを取ったことがない社会人にとって、最初に学習する本として最適です。
本当に英語のコミュニケーションってそんな難しいものではなく、短くて有効な表現があることを教えてくれます。”Hi. ”とか”Sorry?”とか、そういった言葉をどう使うかを、英語コミュニケーションが初めての人に教えてくれます。
効果音も入っていて飽きません。今でもここで覚えたフレーズを結構使ってますし、最初にビジネス英会話の勉強のきっかけにするには最適な本です。
おすすめ本
解説
このシリーズは、ある架空の会社がビジネスを展開していく物語です。単語の難易度に合わせて Vol.1~3まで3つの物語があります。物語が面白く、効果音もあって本当に飽きません。何度でも聞けます。もちろん単語解説もあるので、単語の学習にもなります。
Vol.1は、日本の小さな鉄鋼会社がアメリカの大手自動車部品メーカーと熾烈な交渉をする物語です。英単語3000語レベルですが、かなり複雑な商談が進んでいきます。
おすすめ本
解説
Vol.2は、日本の有名スポーツメーカーが、中国ブランドに押されて業績が悪化し、そこから特別プロジェクトチームを創って業績を改善するストーリーです。個人的にはシリーズの中で一番好きな内容です。英単語は6000語レベルです。
おすすめ本
解説
Vol.3は、大手エンジニアリング会社で働く日本人が、外国人の若手2人とチームを創り、ゼロから会社に新しい価値を生み出していく物語です。インドやシンガポール、タイなど、様々なイントネーションの英語が出てくるのが特徴です。英単語は9000語レベルです。
私が実践してきた勉強の流れ
これまでご紹介した本をどのように学習してきたかをご紹介いたします。大き二段階に分かれます。
とにかく私は英語で全く仕事をしたことがなかったので、まずは本当に外国人とコミュニケーションを取るところからのスタートでした。そのためにはできるだけ定型文を覚えて使えるようになることが重要だと思いましたが、読むだけでは本当に定着しないので、暗記とリスニングと電子辞書で調べることを繰り返しました。
結果、暗記が圧倒的に効果的であることに気付きました。人間の暗記能力って思ったより優れているので、いろいろと聞き流したりする学習よりも、一度頭に入れてしまう方が圧倒的に効率的でした。
初期段階(本当にビジネス英語をやり始める段階)
- 「一億人の英文法」を使ってさらっと文法復習(ここではあまりこだわらずにさらっと数日で)
- 「英会話ペラペラビジネス100」を何度も聞いて英語コミュニケーションに慣れる
- 「場面別ビジネス英会話」のスキット(ビジネス場面実況中継)を週一つ暗記する
- 余裕があれば「英語で話す力」「英語で日本紹介ハンドブック」を読んで単語力と表現力を鍛える
第二段階以降
- 引き続き「場面別ビジネス英会話」のスキット(ビジネス場面実況中継)を週一つ暗記する
- 「英会話ペラペラビジネス100」が終わったら「究極ビジネス英語リスニング」を聞いて単語力とリスニング力を上げる
- 余裕があれば、引き続き「英語で話す力」「英語で日本紹介ハンドブック」を読んで単語力と表現力を鍛える
といった感じです。これに加えてオンライン英会話を定期的にやるくらいでしょうか。やはり実際に会話をしないと、自分の課題が見えてこないので、アウトプットが重要であることは間違いありません。
まとめ
私がいろいろお試ししてきた勉強法の中で、効果があると思ったやり方や教材をご紹介しました。とにかく社会人はやることも多く、家族の対応もあるかもしれませんので、できるだけ効果的な勉強方法と教材を早く確立して、継続することが重要だと思います。
また、映画や海外ドラマもいろいろと試行錯誤して観てきましたので別途ご紹介します。
お奨めのオンライン英会話については、以下の記事を是非ご覧ください!
この記事のまとめ
社会人は自分自身にあった効果的な学習法を早く確立して継続しましょう。
読む/聞く/話すをバランスよく実践しましょう。また質の良い文章の暗記は上達の近道です。
同じ教材を繰り返し学習することが、より効果を高めますし自信が付きます。まずは狭い範囲でもいいので、使える単語や表現を身につけましょう。