ビジネスに効くIT

【まとめ】ビジネスパーソンが理解すべきITの基礎知識(概要編)

【まとめ】ビジネスマンが理解すべきITの基礎知識(概要編)

 

タツオ
IT知識ってとても複雑だね。正直いつも頭が混乱してくるな~。実際にビジネスパーソンは、ITのどのような点を気を付けないといけないのかな~。

 

確かにね~。実際にIT業界やシステム部門で働いている人はさておき、それ以外のビジネスパーソンはなかなかイメージつかないよね~。では今回は、難しいIT用語は抜きにして、なぜITがビジネスパーソンにとって重要で、どういったポイントを理解すべきか解説するね。
トニー

 

ビジネスパーソンにとって、IT知識は欠かせないと言われていますが、実際には小難しい用語が多く並び、一体何を理解すればいいかわからないというのが現状ではないでしょうか? 

 

そこで本記事では、難しいIT用語ではなく、ビジネスパーソンが理解すべきITの基礎知識や重要なポイントを、現実的に発生しそうな場面を踏まえながら解説していきたいと思います。

 

この記事の内容

企業はなぜITを活用するのか?

なぜビジネスパーソンはIT知識を持つべきなのか?

ITシステム導入時に押さえるべき7つのチェックポイント

 

 

企業はなぜITを活用するのか?

最初に、そもそもなぜ企業はITを活用するのでしょうか? シンプルにまとめると次の通りです。

 

企業のIT活用目的

  1. 生産性向上のため
  2. 新規事業や新規サービスのため

 

これらはとてもイメージがつきやすいと思います。

 

1.は、これまで紙で行っていたような業務をデータに変えて再利用できるようにしたり、入力の手間を省いたり。また、データを個人毎に保持するのではなく、社員全員で共有することで、より生産性が上がることは言うまでもありません。

 

例えば30年くらい前は、社員一人一人にPCはまだなく、紙で見積書を手書きしている会社も沢山ありました。PCが社員一人一人に支給されると、Excelを使って個人個人で見積もりを作って保管することが増えてきましたが、それがさらに発展して、販売管理システムなど、見積作成システムを導入することで全員で共有できるようになりました。

 

これにより、担当変更時も過去にどんな見積もりを提示したかすぐに把握できるようになりますし、過去に作成した見積書を再利用することで手間が省けます。それ以外にも、生産や会計など様々な場面で業務の効率化と生産性向上が行われてきました。

 

当然のことながら、他社がITを使ってどんどん生産性を向上していくわけですから、自社が何もせずにいると競争力が落ちるということになります。

 

2.は、インターネットの利用者増にともない、企業はインターネットを使った様々な情報発信やサービスを求められるようになってきました。

 

Webサイトでの商品情報提供やオンライン販売、SNSの活用はもちろんですが、最近では自動車でも体重計でもネットに接続され、様々な情報をアップロードしたりダウンロードすることで、便利なサービスが提供されています。

 

これらも、他社がどんどんITを活用した新規事業やサービスを提供する以上、自社が何もしないというわけにはいかないのが実情だと思います。

 

なぜビジネスパーソンはIT知識を持つべきなのか?

では、なぜビジネスパーソンはITの知識を持つ必要があるのでしょうか?

 

ITとは直接関係ない仕事をしている人でも、個人としては生活の中でITを活用していると思います。音楽や動画の配信、金融サービスの利用など、ITなしでは生活が不便な世の中になってきているのは事実です。つまり、皆さんが個人的に利用している企業は、ITを活用して様々なサービスを提供しているということです。

 

先述の通り、企業はITを活用していかないと競争に負ける可能性があるわけですから、皆さんの会社も遅かれ早かれどんどんITの活用が進むことは間違いありません。

 

例えば、今経理の仕事をしている人が、「会計システムの刷新をするからプロジェクトメンバーに入ってくれ」とか、営業の仕事をしている人が、「来期からオンライン販売の責任者になってくれ」とか、そういった指示が会社から出ることも全く不思議ではありません。

 

その際に、「私はITの素人だからわかりません」ということだけでは、十分な責任を果たせない可能性がありますので、細部はシステム部門やITベンダーに任せるにしても、どういったポイントが重要かはしっかり理解していく必要があるということです。

 

ITシステム導入時に押さえるべき7つのチェックポイント

では、皆さんが実際にITを使ったプロジェクトに関わることになった場合に、一体どういったポイントを押さえるべきかを解説したいと思います。

 

ITシステムには大きく分けて、社内向けシステム社外向けシステムがあります。社内向けシステムは文字通り社内の人だけが使うシステムで、会計や生産、販売などに関わるシステムです。社外向けシステムは、社外のお客様に開放するシステム、つまりはWebサイトやECサイト、その他得意先と情報を共有するシステムなどもあります。

 

今回はこれら社内向け、社外向けを区別せずに、共通的に必要になるポイントを解説したいと思います。

 

今回、次の7つのチェックポイントを挙げさせていただきました。

 

7つのチェックポイント

① 機能
② パフォーマンス
③ 拡張性
④ 業務継続性
⑤ データ管理
⑥ セキュリティ
⑦ コスト

 

ITシステム導入時に押さえるべき7つのチェックポイント

 

 

ITシステム導入時のチェックポイント① 機能

当然ながら、ITシステムを導入する際は、何らかの目的があるわけですから、それが機能的に実現される必要があります。これは最も重要なポイントです。
導入するITシステムが現在のシステムの更改であれば、現在のシステムの課題を改善したり、将来必要になるだろう機能を実装する必要があります。例えば、会計システムなら新しい帳票に対応したり、オンライン販売ならクーポンを使えるようにするなどです。

 

ITシステム導入時のチェックポイント② パフォーマンス

いくら素晴らしい機能を実装したとしても、利用者から「遅くて使えない~!」というクレームが来れば元も子もありません。このパフォーマンス問題は様々な原因で発生します。ハードウェアスペック、ネットワーク、システムのチューニング問題など、これだけで飯を食っている会社があるので、非常に深い世界ですが、少なくとも、パフォーマンスについての何らかの目標を設定(例えばオンライン販売なら、何秒以内に商品検索できる、など)して、システム部門やITベンダーに相談することが重要であると思います。

 

ITシステム導入時のチェックポイント③ 拡張性

こちらはオンライン販売であればイメージがつきやすいと思いますが。どれくらいお客様が増えることを想定してシステムを設計するか、ということです。例えば現状のお客様数でパフォーマンスが快適だったとしても、倍ではどうか? 十倍ではどうか? という想定はしておく必要があります。昨今ではクラウドサービスの利用が中心になっていますので、こういった拡張については非常に設計しやすい状況になってきています。このあたりは別記事で解説するつもりです。

 

また、社内向けシステムについても、グループ会社とシステムを共用することになったり、合併によって急に利用者が増えることがあります。これらは予想がつきにくい環境要件ではありますが、システムの拡張方法やコストイメージは確認しておいた方がいいと思います。

 

ITシステム導入時のチェックポイント④ 業務継続性

この業務継続性というのは、万が一、システムに何らかの問題が発生した際に、業務を継続できるか? またはどのくらいの期間で復旧できるか? というポイントになります。

 

日本は大変災害が多い国ですので、昨今多くの場合、システムはデータセンター(システムを安全に運用できる建物)の中かクラウド上で稼働していることが多いので、設置場所という意味では安心ですが、それでもハードウェアの障害や、ウイルス感染、オペレーションミスなどによりシステムが停止してしまうことはあります。オンライン販売の場合は、売上がその瞬間から無くなるわけですから、どの程度システムの停止時間を考慮するかは重要となります。

 

昨年も東証で大障害があり、社長交代にまで発展してしまいました。それだけ現在はシステムが重要ということを表していると思います。

 

社内システムの場合は、内容によっては1日くらい使えなくても仕事を回せる可能性はありますが、このあたりの方向性をしっかりシステム部門やITベンダーと相談する必要があります。

 

ポイントとしては、どこまでシステムを冗長化(システムを二重化して、片方が故障しても、他方が稼働し続けるシステム構成)するか? バックアップはどういった頻度でとるか? などがポイントとなります。

 

ITシステム導入時のチェックポイント⑤ データ管理

これは少し難しい話になりますが、昨今企業のデータ管理の在り方に課題があることが多いです。どういうことかというと、例えば、部署毎に同じようなデータを別々で管理していたり、企業内の様々なシステムを無理やり連携させることで、非常に複雑な状態になっていたり(スパゲッティ状態とも呼ばれる)、折角企業が保有しているデータを活用しきれないことが多いという課題です。

 

具体的な例でいうと、もしあるメーカーが、直営店を持っていて、さらにはオンライン販売をはじめた場合に、それぞれの部門のテリトリーの違いから、顧客データが重複して保持されてしまい、あるお客様が直営店で購入した履歴と、オンラインで購入した履歴を統合的に把握できない場合がそれにあたります。

 

こういった場合、お客様からすれば同じ会社から買っているわけですから、統合的に把握してサポートしてもらいたい、という思いはあるでしょうし、マーケティングの観点からも、統合的にあるお客様の購入履歴を把握できた方がよいのは間違いありません。

 

ですので、システムを導入する際は、データの活用方法(データはどこから来て、どのように活用できるのか?)について意識することで、あとで無駄な投資をしないで済む可能性があります。

 

ITシステム導入時のチェックポイント⑥ セキュリティ

こちらはイメージがつきやすいと思いますが、システムのセキュリティ対策です。昨今多くの社外向けシステムが、悪意のある攻撃者に襲われ被害を受けています。昨年も、ゲーム大手のカプコンがサイバー攻撃を受けたニュースが大きく取り上げられました。

また、7pay はセキュリティ問題があり、サービス廃止に追い込まれました。ドコモ口座の問題も記憶に新しいですよね。

 

社内向けシステムについても、楽天が外部クラウドサービスに委託していたシステムに設定不備があり、情報漏洩に至ったとのニュースもありました。

 

こういったことは決して大手企業だけが対象ではなく、中小企業を狙って攻撃をしかけ、その情報をもとに大企業を狙うケースもありますので、しっかりと対策をしていないと加害者になってしまう可能性もあります。

セキュリティについてはまた別の記事で解説をしていきたいと考えています。

 

ITシステム導入時のチェックポイント⑦ コスト

最後にコストです。①~➅までの対策を、どのくらいのコストをかけて実施するかは、そのシステムの重要性や事業プランと密接に関わってくることなので正解はありません。

しかしながら、コストを度外視したビジネスは現実的にはありませんので、お金をかけるところ、かけないところをしっかりと議論して決めることが重要です。また、システム稼働後の運用費用もしっかり考慮が必要です。

 

逆に言うと、①~➅の対策に対して、どういった選択肢があるのか、松竹梅をしっかり把握していれば、適切なコストで求めるシステムを構築できる可能性があります。

 

7つのチェックポイントの整理

以上が、ITシステムを導入する際のチェックポイントになります。難しいIT用語はさておき、これらのポイントを意識することで、システム部門やITベンダーにアイデアを求めることが可能ですし、いずれのポイントも事業運営上大変重要な要素となります。

 

以下に7つのチェックポイントを整理したのでご活用ください。

 

ITシステム導入チェックポイント(2020年まとめ)

 ♯ クリックすると画像を拡大できます。

ITシステム導入時に押さえるべき7つのチェックポイント

 

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ITシステム導入チェックポイント(2020年まとめ)

it-basic-knowledge-20210101-checkpoints

 

 

これまでご説明してきた7つのチェックポイントですが、分かりやすく例えると、結婚したての夫婦が、マンションを購入する際と似ているかもしれません。うまくイメージいただけましたら幸いです。

 

ITシステムを夫婦のマンション購入に例えると

① 機能:リビングやキッチン、お風呂、トイレなど必要な機能は?
② パフォーマンス:水圧は? 日当たりは? 駅からの距離は? 
③ 拡張性:将来子供が生まれた時の部屋は? 収納は?
④ 業務継続性:エレベーターや水道、電気が止まった時はどうする?
⑤ データ管理:夫婦で引っ越しの挨拶状を送る際の宛先管理は?
⑥ セキュリティ:ドアや鍵、監視カメラなど、どこまで対応する?
⑦ コスト:全体の予算感は? 管理費などの継続コストは?

 

 

まとめ

ビジネスパーソンが理解しておくべき、ITの基礎知識について解説しました。

 

まずは今回ご説明したポイントを意識することで、間違いのないITシステムの導入に近づけると思いますので、これらをもとに、システム部門やITベンダーと会話してみていただきたいと思います。今後さらに突っ込んで、重要なパートを記事にしていきますので、ご期待ください。

 

 

この記事のまとめ

企業がITを活用する目的は、生産性向上と新規事業や新規サービスのため

IT活用はこれからも広がっていくため、現在ITに関わっていない人も、いつIT知識が必要になるかわからない

7つのチェックポイントを意識することで、良いITシステム導入に近づける

 

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